世界は売買春とどう向き合ってきたか

――目次――
はじめに
第1 売春の誕生と「必要悪」としての許容
1-1 原始社会から貨幣経済の確立にいたる売春の起源
1-2 キリスト教道徳の呪縛とダブル・スタンダードの形成
1-3 娼婦への社会的烙印と道徳的パターナリズムの定着
第2 近代国家の公娼制度と社会浄化運動
2-1 梅毒の恐怖と管理売春システム
2-2 廃止運動の台頭と「白人奴隷」パニック
2-3 社会衛生の思想と戦時下の強権的抑圧
第3 戦後の国際協調と「被害者」としての位置づけ
第4 現代フェミニズムと「性の商品化」論争
4-1 ラディカル・フェミニズムとアボリショニズム(廃止論)の論理
4-2 セックスワーカーの反論と「セックスワーク(労働)」の再定義
第5 ハームリダクションの概念と法規制モデル
5-1 ハームリダクションの起源と売買春問題への理論的接続
5-2 4つの主要な法的モデル
第6 各規制モデルの批判的検討
6-1 北欧モデル(買春処罰法)が引き起こす地下化と事実上の犯罪化
6-2 合法化(管理主義)モデルの欺瞞と二重構造の罠
6-3 完全非犯罪化モデルによる真のハームリダクションの達成
第7 日本の現状と法改正論議
7-1 日本の売春防止法が抱える歪んだ法体系と「見えない買春の現場」
7-2 国内における買春処罰化(北欧モデル導入)議論
7-3 売春防止法における公然勧誘罪の拡張と「社会秩序の維持」―法務省検討会の報告書案(改訂版)について―
7-3-1.公然勧誘罪の拡張議論
7-3-2.「社会の風紀維持」を理由とする刑事罰の法的限界
7-3-3.現行刑法における社会秩序の維持
7-3-4.公然勧誘罪の拡張がもたらす「ハームプロダクション」
7-3-5.社会秩序の維持と刑罰の相性
結論:将来への展望