薬物問題と売買春問題の共通点

薬物問題と売買春問題には、当事者間の合意に基づく「被害者なき犯罪」であるという性質から出発して、国家による禁止がもたらす非合法市場の肥大化、貧困層における脆弱なサバイバル手段、そして歴史的な反悪徳運動に端を発する道徳的パニックと強烈なスティグマの付与に至るまで、驚くほど共通した社会学的・犯罪学的な問題構造が見られる。
園田寿 2026.10.28
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はじめに

薬物問題と売買春問題は、対象となる物質の薬理学的な性質と行為の身体的性質こそ異なるものの、社会学、犯罪学、そして公共政策の観点から見れば多くの構造的な共通点を有している。両者はともに国家による厳格な取り締まりの対象となり、強烈な道義的非難(スティグマ)を浴びせられてきたという歴史を持っている。本稿では、いくつかの観点から、薬物問題と売買春問題の共通点を探りたい。

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