ヘロインと SNS の歴史的連続性

ヘロインが社会に及ぼした破壊的な影響は、数十年という遅れを経て、ようやく国際的な法規制と厳格な禁止政策を可能にした。しかし、現代のSNSやデジタルテクノロジーは、「行動嗜癖」という物理的実体を伴わない問題性を孕むために、いまだ法的なグレーゾーンの中に置かれ、自己責任を前提とした自由市場の中で野放しに近い状態に置かれている。
園田寿 2026.10.25
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はじめに:化学的依存とアルゴリズム的依存

ヘロインとソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。一方は19世紀末に開発され、人類史上に甚大な公衆衛生的被害をもたらし続けている強力なオピオイド系化学物質であり、もう一方は21世紀のシリコンバレーが生み出した、現代人の社会的コミュニケーションを規定するデジタル・インフラである。両者は、薬理学的次元とアルゴリズム的次元という全く異なるレイヤーに存在する産物に見える。しかし、両者を別の観点から改めて比較すると、そこに「人間の大脳辺縁系(報酬系)を標的とした商業的・資本主義的搾取」という歴史的なつながりが見えてくるのである。

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