ビールのはなし―液体のパン―

シュメールの女神への捧げ物として始まり、中世のエールハウスで人びとの喉を潤し、近代の過酷な労働を慰める「液体のパン」となったビールは、国家の戦費を賄う財源として重宝される一方で、道徳十字軍による禁酒法の標的ともなった。そして現代、ビールは洗練された資本主義的商品として、世界中の消費者の脳の報酬系とアイデンティティに深く侵入している。
園田寿 2026.06.29
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1. はじめに

キリンホールディングスが発表した最新の統計によれば、2024年の世界のビール総消費量は、約1億9,412万キロリットルであり、東京ドームの約157杯分に相当する量だという。 国別・地域別の消費ランキングでは、意外にも中国が圧倒的な規模を維持しており、2位がアメリカ、3位がブラジルであり、日本は11位であった。

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