血まみれの薬物戦争―フィリピン

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(79歳)は、在任中(2016年~2022年)、薬物犯罪の撲滅を掲げて徹底的な取り締まりを行った。その結果、数千人が警察や自警団により超法規的に殺害されたといわれている。その数は、政府の公式発表では約6000人だとされているが、人権団体やICCの調査によると、死亡者は数万人に上るといわれている。
園田寿 2025.03.19
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■はじめに

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(79歳)が、国際刑事裁判所(ICC)の要請によって、同国の薬物政策に関係した「人道に対する罪」の疑いで逮捕された。本稿執筆時点で、かれはオランダのハーグにあるICC本部に移送され、拘留中である。

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