大麻取締法改正の問題性について

公衆衛生を優先させ、依存症や過剰摂取による死亡を減らし、予防と治療を重視するとともに、ハームリダクション制度を導入する。これが欧米の薬物政策が示す方向である。それに対してわが国の薬物政策の基本は、処罰が治療のきっかけになるという、科学的根拠のない懲罰的断薬主義である。これが禁止法をより強化して厳罰主義に結びつき、多くの社会的問題を生み出してきた。
園田寿 2025.05.10
サポートメンバー限定

Ⅰ. はじめに —法改正による大麻事犯の重罰化―

改正の根拠は?

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、14304文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

誰でも
ジャマイカにおける大麻規制の沿革―階級支配・国際政治・文化弾圧の複合史...
サポートメンバー限定
世界はなぜ薬物を規制し続けるのか
サポートメンバー限定
【番外編】死者の名誉毀損罪における虚偽性の認識
サポートメンバー限定
【番外編】国家に対する敬愛の念を持たない者を処罰できるのか―国旗損壊罪...
サポートメンバー限定
タバコのはなし
サポートメンバー限定
おとり捜査―薬物厳罰主義の申し子―
サポートメンバー限定
大麻使用罪賛成論の批判的考察
誰でも
法的パターナリズムと薬物政策