ギャンブル行為の非犯罪化を―依存症の科学的理解と最良の政策アプローチ―

依存症についての理解とギャンブルに関する政策の歴史的推移を考えれば、ギャンブルを行った国民を「犯罪者」とする懲罰的なアプローチは今や再考されるべきである。目指すべきは、個人のギャンブルそのものを罰することを止めて、依存リスクのある製品(機会)を提供する商業的環境の是正へと、そこに規制の焦点を移すべきである。
園田寿 2025.09.27
サポートメンバー限定

はじめに

賭博(ギャンブル)を罰するのはわが国の伝統であり、明治40年制定の現行刑法典にも、賭博行為そのものを処罰する「単純賭博罪」(刑法第185条)と常習的な賭博行為を処罰する「常習賭博罪」(刑法第186条1項)、それに賭博の機会を提供する「賭博場開張罪」および「博徒(ばくと)結集罪」(刑法第186条2項)の規定が存在している(博徒とは職業的に賭博を行う者のこと)。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、3008文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

誰でも
CBD 日米の法規制の違いとそのリスクについて
サポートメンバー限定
違法薬物使用者のスティグマ化
サポートメンバー限定
大麻合法化の流れと国際条約の〈ねじれ〉について
誰でも
「被害者のない犯罪」と薬物政策
サポートメンバー限定
薬物の押収と市場の逆説
誰でも
薬物とは何か〈再論〉
サポートメンバー限定
極右の台頭と薬物政策への影響―欧州の経験―
誰でも
[番外編]情報統制の歴史と現代―ナチスと参政党―