新しい拘禁刑とはどのような刑罰か
「更生」という言葉は縮めて書けば「甦り」になる。一度過ちを犯してこの世界から弾かれた者は、贖罪の後に再びこの世界に戻ってくるのである。そんな「赦(ゆる)し」が込められている言葉なのである。
園田寿
2025.08.07
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旧奈良監獄(模型)・筆者撮影
1.はじめに
今までの刑法典には、刑務所に拘禁して自由を拘束する刑罰として、ほとんどの故意犯に適用される「懲役刑」と、政治犯や過失犯などに適用される「禁錮刑」、それに1日以上30日未満の軽微な犯罪に適用される「拘留刑」があった。故意犯の処罰には道義的な非難が基礎にあるので「破廉恥罪」と呼ばれ、懲罰(苦痛)を与えて反省させることが必要だと考えられた。他方、政治的な信条から出た政治犯や、意図的な反規範的態度がみられない過失犯、それに軽微な犯罪の一部などの場合は、自由の拘束だけで十分だとされた。