薬物使用者を処罰するための説得力ある論拠は存在するか

世界中で何億人もの市民が、人生のどこかで違法薬物を経験している。そして、そのうちのごく一部の者が逮捕されている。それは、懲罰によって社会問題(依存症など)を解決しようとするアプローチであり、薬物がその人にもたらしている害以上の害を世の中にもたらしている。薬物使用の問題は、刑法によってではなく、公衆衛生、教育、そして非犯罪化に基づく社会的包摂という枠組みのなかで対処されなければならない。
園田寿 2026.04.28
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はじめに

現代の多くの国家と同様、日本においても、薬物の個人的な使用は犯罪とされ、処罰の対象となっている。しかし、「なぜ、成人が自己の裁量で(違法)薬物を摂取する行為を、国家が処罰することが許されるのか」という根本的な問いに向き合ったとき、説得力のある論拠は驚くほど見当たらない(誤解を避けるためにいえば、薬物の密売など、薬物を違法に供給する行為の犯罪性は明白である)。

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