日本の「薬物戦争」

厳罰主義と「ゼロ・トレランス(不寛容)」に基づく戦後日本の薬物政策は、国民の違法薬物生涯経験率を諸外国に比べて極めて低水準に抑え込むという一定の「治安的成功」を収めてはきた。これは、規制派からは常に誇らしげに語られることである。しかし、その代償として深刻な副作用も生み出し続けている。
園田寿 2026.03.26
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1 はじめに

1971年、当時のリチャード・ニクソン大統領が宣言した「薬物戦争(War on Drugs)」は、軍隊や重武装した法執行機関を動員して薬物の供給と消費を厳罰によって抑圧するという強硬な薬物政策に発展し、その後の世界的キャンペーンの端緒となったものである。

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